以前は睡眠薬の主流だった「バルビツール酸系」と呼ばれる睡眠薬は、「脳全体を麻痺させて眠らせる」という薬だったので、効果が強力な半面、服用量を間違えれば命を落とす危険もあった。自殺の手段として大量に摂取するなど社会問題にもなったが、世代交代が進み、ほとんどの製品が生産中止となり、睡眠薬の安全性は上がっている。
現在、不眠症の治療に使われる睡眠薬は主な作用から
の3つのタイプに分けられる。
ベンゾジアゼピン系は
不安やイライラを取り除き、眠りに導く働きのある脳内物質のGABA(ギャバ)受容体を介して不安や緊張をもたらす神経系の機能を抑え、眠りを促すものです。化学構造の違いから『ベンゾジアゼピン系』と『非ベンゾジアゼピン系』に分類されます」
ベンゾジアゼピン系の主な副作用
■持ち越し効果:睡眠薬の作用が翌朝以降も持続してしまう現象。
頭がぼんやりしたり眠気が続く。
■記憶障害:主に鎮静作用によって、軽い記憶障害が見られる。睡眠薬が体から排泄された後は記憶は正常に戻る。
■筋肉の脱力:筋弛緩作用により力が入らずにふらついたり、つまずいたりして転びやすくなる。高齢者ほどこの作用が出る。
■奇異反応:ごく稀に夜間に上機嫌で抑制を欠いた活発な行動をとったり、寝ぼけたようになったりする。
よく用いられる睡眠薬はレンドルミン、マイスリー、ハルシオン
超短時間型は2~4時間、短時間型は半減期が6~10時間、中時間型は半減期が12~24時間、長時間型は半減期が24時間以上のものです。
レンドルミンは短時間型、マイスリー(Z薬)、ハルシオンは超短時間型になりますので、3種類の薬はみな作用が短い方の睡眠薬の部類に入ります。
マイナートランキライザー